このページでは、「ご褒美が効かない」と感じたときに、どこを観察し、何を確認すべきかを、
実際のご体験をもとに整理しています。
あじなで犬の行動の「本当」に出会う
― ご質問によせて ―
「ご褒美がうまく効かない。なぜでしょう?」
そう問いかけたところ、とても多くの方が、ご自身の体験を寄せてくださいました。
ありがとうございました。
今回は、その中から、
Cさんのご体験をもとに、行動学の視点で整理していきます。
ご体験の紹介(Cさん)
「とりあえずよく観察して、ご褒美をあげるタイミングを探しました。
でも、なかなか難しくて、これ以上はおやつをあげすぎだなと思うところで終わらせ、また次のタイミングでトライしています。」
ご体験をお寄せいただき、ありがとうございました。
観察してからご褒美をあげていることについて
まず、ご褒美をあげる前に、よく観察する時間をとっておられること。
ここは、とても大切なところです。
ご褒美は、
好ましい行動を増やすために使われるものです。
行動学では、これを「正の強化子」と呼びます。
ただし、
ご褒美が効果を発揮するためには、
いくつかの条件がそろっている必要があります。
ご褒美が効果を発揮するために、確認したい3つのポイント
- 伸ばしたい行動は、どの行動か
- 今の環境で、その行動が繰り返し起こりうるか
- ご褒美をあげるタイミングは、その行動の最中、または直後か
この3点が曖昧なままでは、
どんなに一生懸命ご褒美をあげても、
行動の変化は起こりにくくなります。
Cさんが「なかなか難しかった」と感じられた理由は、この1〜3のどこかにあったかもしれません。
「練習を終えるタイミング」について
「これ以上はおやつをあげすぎだなと思うところで終わらせている」という点について。
練習を終えるタイミングについては、レッスンの現場でも、よく質問を受けます。
練習を終えるよいタイミングには目安があります。
練習を終える3つの目安
- 「今のうまくできた」という成功体験で終える
- 犬が満腹ではなく腹七分の状態で、「もう少し食べたい」と感じている段階で終える
- 飼い主さん自身が、まだ余裕をもっている状態で終える
この3つがそろうと、練習が次につながりやすくなります。
ご褒美が「効かない」のではない
ご褒美の食べ物そのものは、
犬が好きなものを選ぶことが出来ていれば、あとはポイントをいくつか押さえるだけで、驚くほど効果的に使うことができるようになります。
大切なのは、犬ではなく、飼い主さんがポイントをひとつずつ確認していくこと。
どれも、特別に難しいことではありません。
練習によって、誰でも身につけることができます。
ご褒美が、
犬にとっても、
飼い主さんにとっても、
もっと行動を真に変える力を持つものになりますように。
ここは、
犬の「本当」に出会える場所。
あじな動物病院 行動科
行動と向き合う中で、中西薫が現場で考え続けていることは、月間コラムとして記録しています。
🔗月間行動コラム|中西薫の記録
