緑と風が心地よい季節ですね。
屋外に出ると、思わず心が弾む…はずなんですが、中西は少ししんみりしています。
なぜかというと、かたわらに、リードを着けた愛犬がいないからです。
一緒にお散歩に行く犬がいない。
こんなこと、社会人になって以来、初めてです。
三男坊の愛犬エルガーは、もう14歳と5ヶ月。(2026年4月時点。)
加齢だけでなく、2020年の夏に患った重度の頚椎ヘルニアのダメージもあり、
二年前から自力では歩けなくなりました。
主に横になって過ごしており、移動はもっぱら愛情抱っこか、小型犬用リュックです。
ここ一年でまた一段と歳を重ね、最近では一日のほとんどを、すやすやと寝て過ごしています。
気持ちよさそうな寝息をたてていると、家族全員ほっとする。そんな毎日です。
そんなエルガーですが、
昔は、「いつもお外にいたいが過ぎる犬」でした。
しかも、「ひとりでは嫌。お母さんも一緒にお外にいなさい犬」でした。
だから、しょっちゅう彼を連れて、ベランダやバルコニー、お庭、そしてお外に、時に母はうんざりするくらい、いました。

そんな彼も、14歳。
もう長時間の屋外は、日差しや風がこたえるようで、一緒にお外にいる時間は、本当にわずかになりました。
振り返ると、あの日々が心の底から懐かしいです。
あの日々は、お外愛好家のエルガーがいたから味わえた日々だったんだと、最近改めて感じています。
今年も季節が巡り、美しい日本の春がやってきました。
でも、一緒にお散歩に出かける愛犬が、かたわらにいません。
お散歩って、飼い主である自分が連れて行っていると思い込んでいたけれど、
その実は、愛犬に連れ出してもらっていた素晴らしい体験だったのですね。
そんなことを、ついしんみりと考えてしまう、2026年の春です。
いつになるかはわからないけれど、
でも、そんなに遠くの未来のことではきっとないのだろうけれど、
エルガーを無事、ボレロが待っている虹の橋の向こうに見送ったら、
また五男坊か、もしくは長女となる愛犬と、お散歩に行きたいなと思います。
彼もしくは彼女が、どんなお散歩に連れて行ってくれるのかを楽しみにしながら、
エルガーとの家族の時間を、一日一日大事にすごしたいと思います。
これまでお散歩に連れて行ってくれた愛犬たちに、感謝の思いでいっぱいです。
ありがとう。
あじな動物病院行動科 中西薫
■連載 エルガーと暮らして





