令和8年熊本地震義援コラムをご購入くださった皆さまへ

このたびの令和8年熊本地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
被災された方々と動物たちが、一日も早く穏やかな日常を取り戻されることを願っています。
また、このたびは「令和8年熊本地震義援コラム」をご購入くださり、誠にありがとうございました。お預かりした500円から販売手数料等を差し引いた受取額の全額を義援金として、熊本県の「令和8年熊本地震義援金」を通じてお送りします。
ご購入への感謝を込めて、災害時に愛犬を守るためのもう一つのショートコラムをお届けします。
ヨーロッパで愛されてきたアダプティルを日本の災害事情にあわせて使う

「動物福祉大国のヨーロッパの法制度や取り組み、動物福祉の考え方をそのまま当てはめるだけでは、この地震大国日本で、災害時に愛犬を十分に守れない場合がある。」
義援コラムでは、動物福祉の視点に日本独自の災害事情を加えることと、そうすると見えてくる胴輪(ハーネス)とはまた違う首輪独自の利便性についてお話ししました。
本コラムでは、ヨーロッパで長く愛されてきた、とある行動のアイテムを日本の災害事情にあわせて使うコツをご紹介したいと思います。
そのアイテムとは、「アダプティル」。
正式名称を、犬アピージングフェロモン製品と言います。
アダプティルとは?犬の不安やストレス対策に使う行動の補助製品

アダプティル(Adaptil)は、ヨーロッパでは「DAP」(ダップ)と呼ばれ親しまれてきた、犬の行動の補助製品です。
著者が長くヨーロッパに滞在して犬の行動の専門家としての研修を受けていた2012~2015年頃、当時弟子入りしていた先生の仕事鞄にいつもこのダップが入っていましたし、研修に訪れた動物病院の診察室にもよくこのダップが置いてあったものでした。
ダップことアダプティルとは、犬のフェロモンの一種を化学的に合成したものを犬が吸い込むことで、犬が落ち着いた、ゆったりした気持ちになりやすいように助ける、行動の補助製品です。
この化学的に合成されるフェロモンの一種が「犬アピージングフェロモン」と呼ばれるフェロモンで、生後3~4日目から離乳後2~5日目ぐらいまでの授乳期間中に、母犬のおっぱい周辺の皮脂腺から、おっぱいを吸っている子犬たちに向けて分泌されます。このフェロモンは、子犬たちが安心して成長できるように、子犬たちの脳に働きかけます。
筆者は、代表をつとめるあじな動物病院行動セクションで、「犬の気持ちに桃色フィルターをかけてくれるので、犬が落ち着いたハッピーな気持ちになりやすくなります」とご説明しています。
地震発生時に使いやすいアダプティルは?3タイプを比較

このアダプティルと呼ばれる犬の行動の補助製品には、リキッドと拡散器のセット、カラー(首輪)、スプレーの3タイプがあり、使用したい場面に応じて使い分けることができるのですが、この3タイプを地震発生時を想定して比較してみたいと思います。
リキッドと拡散器のセット

リキッドと拡散器のセットは、拡散器を電源プラグに差し込んで使うため、地震発生時に電気が止まっている場合には使うことができません。
カラー(首輪)タイプ

カラー(首輪)タイプは、カラーに染み込ませてあるフェロモン類似物質が徐々に揮発して、それを犬が吸い込むことで効果を発揮するのですが、一度開封したら、揮発し切ってしまった後はまた新しいカラーを開封する必要があります。たくさんの日用品を持ち出すことが難しい地震発生時には、不向きな場合もあるかもしれません。
スプレータイプ

これに対して、スプレータイプは、犬が身につけている首輪や胴輪(ハーネス)、洋服や、犬が身を横たえている毛布などに、必要な時にスプレーして使うことができます。
自家用車で愛犬と一緒に避難する際に、車の座席カバーや、愛犬のドライブシートなどにスプレーして使うこともできます。
これまであじな動物病院行動セクションで実際にご案内した行動カウンセリングやレッスンでは、犬が怖がる雷をやり過ごす際に、犬のお気に入りのベッドにスプレーして使ったり、犬が抱っこを求めてくる場合では飼い主さんの洋服の胸元にスプレーして使ったりなどした事例があります。
ちなみに、ヨーロッパで最も多く見かけたのも、なぜかこのスプレータイプでした。
地震に備えてアダプティルを日頃から準備しよう

地震発生時は、飼い主さんも愛犬も日常生活が急激に変化することで、ストレスを感じやすく、またストレスを溜め込みやすくなります。
愛犬が感じるストレスを効果的に和らげることのできるものを、日頃から一つ準備して、使い慣れておく。その使い慣れたものを一つ、避難袋に入れておく、玄関に置いておく。
その1アイテム、1アクションが、いつどこで起こるかわからない地震が起こったとき、飼い主さんが愛犬の心を助けるために、きっと役立ちます。
東日本大震災の経験|アダプティルを常備した理由

義援コラムでもお話ししましたが、筆者は2011年3月11日に、千葉県我孫子市で2頭の愛犬と東日本大震災の激しい揺れを経験しました。
地震当時はまだアダプティルの存在を知りませんでしたが、その地震体験から、ヨーロッパでダップ(アダプティル)を知ってすぐ、愛犬のために自宅に常備するようになりました。
今年の4月の終わりに天国に送った三男坊の愛犬エルガーは、雷も花火も地震も嫌いなポメラニアンだったので、14年半の犬生をアダプティルに何度も助けてもらいました。
地震から愛犬の心を守るためにできる備え

私たちは、いつどこで地震が起こるかわからない地震大国・日本で愛犬を育て、愛犬と暮らしています。
でも、愛犬の心を助けるために準備できることは、たくさんあります。アダプティルも、そのひとつです。
このコラムが、飼い主さんが大切な愛犬を地震から守る一助になれば、幸いです。
このたびは、義援コラムのご購読を、誠にありがとうございました。
令和8年8月
あじな動物病院行動セクション
代表 中西薫
この記事を書いた人
中西薫
あじな動物病院行動セクション代表。
北海道大学獣医学部入学後、同大学を自主退学。「攻撃行動の治療家」を目指し、国内外で犬の行動について学ぶ。2014年、広島県廿日市市にあじな動物病院行動科を開設。
犬の行動(Behavior)を専門とし、一般にしつけやトレーニングと呼ばれる犬の教育を、行動の科学的解析と評価に基づき、行動形成トレーニング、行動療法トレーニング、行動治療としてレッスン現場で指導している。
あじな動物病院行動セクション 中西薫について
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■アダプティル公式サイト
https://www.adaptil.com/jp






