飼い主さんからご愛犬について、ご相談をいただきました。
愛犬は、5歳の小型犬の男の子。
飼い主さんと毎日お散歩に行っているのですが、
「愛犬が散歩で吠えるので、散歩が苦痛です。どうしたらいいでしょうか。」

こんにちは。あじな動物病院行動セクション代表 中西薫です。
今回は、こちらのご質問にお答えしたいと思います。
飼い主さんと愛犬のお困りごとの解決の一助となれば幸いです。
今回ご相談いただいたのは、5歳の小型犬の男の子です。
- 愛犬の体が健康であること。
- 愛犬に持病がある場合は、動物病院で必要な治療を継続して受けていること。
以上を前提として、ご回答していきたいと思います。
飼い主さんのご相談内容は、
- 散歩で吠える
- 吠えるから散歩が苦痛
- どうしたらいいか
の三点です。
犬が散歩で吠えるときの治し方|大切な2つのポイント
せっかく連れて行ったお散歩で愛犬が突然吠えると、驚いて、慌てて、疲れてしまいますよね。
それが毎回だと、お散歩に連れて行くこと自体が苦痛になってしまうお気持ち、よくわかります。
お散歩で愛犬が吠えるご相談は、最も多くいただくご相談のひとつです。
「散歩で吠える」という悩みごとは同じでも、吠える事情や理由は、吠えている犬一頭一頭、異なります。
ですが、治していくときに、どういった手順を、どういった順番で踏んでいくかは、実はほぼ同じなんです。
さまざまな理由を抱えて吠えている犬たちに必要なことを、ひとつひとつ確認しながら、治していくということなんですね。今回の相談室では、その手順のうち、特に大切な部分をふたつ、ご紹介したいと思います。
犬が散歩で吠えるときは、まず心と体を吠えにくい状態に整える
まず、ひとつめです。
愛犬が散歩で吠えて困っているときに、飼い主さんに何より最初に振り返っていただきたいことが3つあります。
- 愛犬の体は健康ですか?
- 愛犬に与えている食事は、種類、質、量(カロリー)の点から十分ですか?
- 愛犬が犬として、またその犬種として持っている行動欲求(生まれながらにしたいこと)を、日々の暮らしの中で十分満たせていますか?
この3つは、愛犬がイライラせず、体も心も健やかに過ごせているかどうかを確認するための大切な視点で、エンリッチメント(Enrichment)という言葉で呼ばれることもあります。
愛犬を散歩で吠えにくい状態にするためには、とても大切なことで、この3つをきちんと満たせば、犬は確実に吠えにくくなります。
犬が散歩で吠えるときの教え方|「吠えるかわり」の行動を教える
次に、ふたつめです。
散歩で吠えてしまう愛犬に、自分が何を教えようとしているかを、振り返ってみてください。
多くの場合、私たちは「吠えてはいけない」と教えようと必死になって、「それじゃあ、どうしたらいいのか」を犬に教えていません。
実は、愛犬に本当に教えなければならないのは、この「どうしたらいいのか」つまり、「吠えるかわりにどう振る舞ったら(行動したら)いいのか」なんですね。
例えば、散歩で犬を見たら吠えていた愛犬が、散歩で犬を見たら、「吠えるかわり」に飼い主さんの目をじっと見る(アイコンタクト)ようになる。
すると、飼い主さんが「いいこ」と褒めて、大好物のおやつをご褒美にあげる。
吠えても、褒めてもらえないし、大好物のおやつももらえないけど、吠えるかわりに飼い主さんを見たら、褒められて、大好物のおやつももらえるということを、愛犬に気づかせてあげるというわけです。
これは代替行動分化強化と呼ばれる教え方で、困った行動のかわりとなる行動を教え、その行動をしたときに報酬を与えて伸ばすことで、困った行動自体が起こらないように変えていく方法です。
この方法は犬にとてもわかりやすいだけでなく、「吠えるかわりにどうしたらいいのか」を教えてくれる飼い主さんを、犬がますます大好きになり、信頼が深まるという素晴らしい効果もあります。
いかがですか?
吠えるかわりの行動を愛犬に教えてみたくなったでしょうか?
犬が散歩で吠えるときの治し方に迷ったら|あじなお散歩診断
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「これまで、ご褒美おやつを使って愛犬を褒めてみたことがあるけど、上手くいかなかった。」
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犬が散歩で吠えるときの治し方まとめ
最後に、今回のご相談へのご回答の要点をまとめます。
- 犬が散歩で吠える理由はさまざま
- 散歩での吠えは、必要なことを確認しながら、治していく
- まず、犬の心と体の状態を整えて、吠えにくい状態にしよう
- 「吠えてはいけない」ではなく、「吠えるかわりにどうすればいいか」を代替行動分化強化で教えよう
- 「あじなお散歩診断」であなたと愛犬のお散歩を診断できる
あじなの行動コラムでは、
◾犬が散歩で他の犬に吠えるときはどうしたらいい?
◾犬が散歩中に吠えるときはどうしたらいい?|まず対象を犬・人・物に分けて考える

あなたの愛犬は散歩で吠えて、あなたを困らせていませんか?
ひとりで悩まず、まずは相談してくださいね。
また次回の相談室でお会いしましょう。

あじな動物病院行動セクション代表 中西薫
この記事を書いた人
中西薫
あじな動物病院行動セクション代表。
北海道大学獣医学部入学後、同大学を自主退学。「攻撃行動の治療家」を目指し、国内外で犬の行動について学ぶ。2014年、広島県廿日市市にあじな動物病院行動科を開設。
犬の行動(Behavior)を専門とし、一般にしつけやトレーニングと呼ばれる犬の教育を、行動の科学的解析と評価に基づき、行動形成トレーニング、行動療法トレーニング、行動治療としてレッスン現場で指導している。
あじな動物病院行動セクション 中西薫について
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