ドッグトレーナーさんからご高齢の愛犬について、ご相談をいただきました。
愛犬は、13歳チワワくん。
こわいのは、雷です。
「夜は私のベッドにやってきて、一緒に寝ています。13歳と高齢になってきたので、足腰が辛くないように、この度ベッドを低いものに買い替えました。
買い替えた後で、ちょっと心配なことが出てきました。
実は、もう10年以上、雷が鳴ったらベッドの下に潜りこんで避難していたんですが、この度ベッドを買い替えたら、そのベッド下の避難スペースがなくなってしまいました。
これは、まずいでしょうか。
何か対策をした方が良いでしょうか。
ちなみに13歳の愛犬は雷が嫌いですが、これまでベッドの下に避難しさえすれば、あえいだり震えたりせず落ち着けていました。」

こんにちは。あじな動物病院行動セクション代表 中西薫です。
あじな動物病院行動セクションでは現在、9月中旬まで期間を延長して、オンライン行動カウンセリング「あじな雷外来」を開設しています。
雷・大雨・強風・台風・花火をこわがる犬の飼い主さんから、連日多くのご相談をお寄せいただいています。
今回は、こちらのご質問にお答えしたいと思います。
飼い主さんが愛犬を助ける一助となれば幸いです。
ご相談くださったのはドッグトレーナーさんです。
あじな動物病院行動セクションの院内レッスンに勉強にお越しになっており、二頭のご愛犬のことも、中西よく存じ上げています。
今回ご相談いただいたのは、二頭のご愛犬のうちの13歳のチワワくんについてです。
雷が嫌いであること。
この度ベッドを低いものに買い替えられて、ベッド下の犬が入れるスペースが無くなったこと。
これまでは10年以上、以前のベッド下のスペースに避難してやり過ごしていたこと。
その際、目立った恐怖反応はなく、落ち着けていたこと。
これらの情報に加えて、
チワワくんは、あじな動物病院の診療科にて診察を受けており、体も心も健康な状態です。
以上を前提として、ご回答していきたいと思います。
飼い主さんのご質問は、
- これまでの避難スペースが無くなったことはまずいことか?
- 何か対策をした方が良いか?
の二点です。
高齢犬が雷を怖がる|年齢とともに雷への恐怖が強くなる理由
チワワくんは13歳と高齢です。現在体と心は健康ですが、やはり体も心も歳をとっています。
体が歳をとると、痛いところや痒いところ、ケアや治療を必要とする箇所が増えます。
体が弱る分、どうしても雷をやり過ごす心の対処力(キャパシティ)は減ってしまいがちです。
※雷をやり過ごす対処力(キャパシティ)については、あじなの雷コラム③悪化しているときどうしたらいい?に詳しく書いていますので、参考にしてください。
それだけではありません。心つまり脳も、体と同様に歳をとります。
脳が歳をとると、衝動と呼ばれることもある欲求や願望を、理性でコントロールすることが苦手になります。
嫌いなものがますます嫌いに、こわいものはますますこわく感じやすくなりがちです。
体と心が歳をとって現在13歳であることを考えると、今まで嫌いだった雷が、今まで以上に嫌いになることがないように、積極的に予防していってあげるのが得策といえます。
雷を怖がる犬の避難場所|10年以上使ってきた場所がなくなった
雷からの自主避難を第一に考えると、彼が10年以上慣れ親しんだベッド下の自主避難スペースを再び戻せるなら、それが最良でしょう。
ですが、ここで問題が…。
飼い主さんは、ベッドを買い替える際に、前のベッドを既に処分されています。
さぁ、どうしましょう?
犬が雷を怖がるときの避難場所|愛犬自身が好む場所を選ぶ
彼の場合は、
現在13歳ですが、体も心も健康であること、そして、13歳まで雷を自主避難でやり過ごすことが出来ていて、雷への恐怖が悪化していないことを考え、彼が暮らす家の中に、彼自身が好む場所で、以前のベッド下に替わる自主避難スペースが他にあるかどうかを、確認します。
ポイントは、愛犬自身が日頃から好む場所です。
これから新しく、好む場所を作る、設ける、好きにさせる、のではありません。
飼い主さんに確認したところ、
自分専用のクレートや、ベッドの上、台所のすみっこに敷いたマットなど、彼自身が好んでそこに居たがる場所で、雷が鳴っているときにも自主避難可能な場所が、複数あるとのことでした。
犬が雷を怖がるときはどうする?|避難場所で落ち着けるか確認する
ベッドの高さを戻すことが難しい場合は、まずこれらの替わりの自主避難場所で、チワワくんがこれまで同様雷をやり過ごすことができるかどうかを、雷が鳴っているときに観察してみましょう。
13歳という高齢を考えると、観察してみて、雷を以前よりこわがっていると感じたら、すぐに雷への恐怖を軽減するための対策を開始してください。
※13歳という高齢犬の雷への対策については、
あじなの雷コラム②次の雷にどう備えたらいい?
あじなの雷コラム③悪化しているときどうしたらいい?
に詳しく書いていますので、参考にしてください。
犬が雷を怖がるときの対策|普段から避難場所を好ましい場所にする工夫
以前のベッド下以外の場所が、少しでもチワワくんにとって好ましい場所になるように、
もし雷が鳴っていない日に、彼がその場所に居ることがあれば、
「えらいね」と笑顔で褒めて、好物の食べ物をあげるのも良いと思います。
ですが、それだけで、その場所で雷をしのげるようになるわけではありませんので、くれぐれも高齢になった愛犬に無理をさせないようにしてください。
高齢犬が雷を怖がるときの対策まとめ
最後に、今回のご相談へのご回答の要点をまとめます。
- 雷への恐怖を減らすためには、愛犬の体と心が健康であることがまず大事
- 13歳という高齢では、体も心も歳をとって、雷がもっと怖くなる可能性が高い
- 避難場所は犬自身が選んだ場所が良い
- 避難場所がより好ましい場所になるように、普段からそこにいることを褒めて伸ばすと効果的
- 高齢犬に、無理をさせない。頑張らせない
- あじなの雷コラムでは、
①雷が鳴っているときの対策、
②次の雷への備え、
③悪化しているときの対策、
④お留守番のときに鳴る雷への対策、
が読める

この記事を書いた人
中西薫
あじな動物病院行動セクション代表。
北海道大学獣医学部入学後、同大学を自主退学。「攻撃行動の治療家」を目指し、国内外で犬の行動について学ぶ。2014年、広島県廿日市市にあじな動物病院行動科を開設。
犬の行動(Behavior)を専門とし、一般にしつけやトレーニングと呼ばれる犬の教育を、行動の科学的解析と評価に基づき、行動形成トレーニング、行動療法トレーニング、行動治療としてレッスン現場で指導している。
あじな動物病院行動セクション 中西薫について
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また次回の相談室でお会いしましょう。

あじな動物病院行動セクション代表 中西薫
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